親子3代でかなえた夢 佐藤輝、田中将大から一発の意味

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内田快
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 (12日、プロ野球交流戦 阪神9―1楽天)

 阪神の佐藤輝明が、元大リーガーの楽天・田中将大から豪快な一発を放った。六回2死走者なし。カウント0―2と追い込まれたが3球目、ひざ元への厳しいスライダーに反応。詰まりながらも、力で右翼席へ運んだ。「注目が集まる中で打てたのは良かったかな」と16号を喜んだ。

 この日は楽天生命パーク宮城がある仙台市に隣接する、宮城県村田町に住む祖父母が観戦に訪れていた。佐藤輝は幼いころ、父・博信さん(54)の帰省に同伴しては、少年野球の指導者をしていた祖父・勲さん(82)から野球の特訓を受けていたという。「祖父母の前で打つことができてうれしい」

 最高の祖父母孝行になったが、実は父に捧げる一発でもあった。

 関西学院大人間福祉学部准教授の博信さんは、講道館杯全日本体重別選手権86キロ級を制して日本一となったこともある柔道家だ。だが、小学校の6年間は野球もしていた。

 投手を務め、肩には自信があったが、打撃が苦手だった。チームの監督でもある勲さんからは「動きが硬い」と手厳しく言われた。自分でも野球の才能には限界を感じてはいたが、努力を重ね、県大会までは進めた。その県大会で、この球場で投げたのだ。

 「父がもっとほめてくれたら続けてたのに」と振り返る博信さんだが、小学校限りで野球はやめて柔道の道へ。だが、勲さんが見守るなか、県営宮城球場で投げたのは今でもいい思い出だと話す。

 佐藤輝が中高生のころ、博信…

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