名古屋市教委、タブレット使用停止を通知 条例抵触か

関謙次
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 名古屋市教育委員会は10日、市立小中学校の児童生徒に配ったタブレット端末の運用で市の個人情報保護条例に違反した恐れがあるとして、使用を一時停止することを決め、各校に通知した。保護者らの同意を得たうえで再開する考え。

 市教委によると、5月末までに約7万台を配り、使用日時やメール送受信、アプリ利用などの操作履歴をセンターサーバーに記録している。なりすまし被害などのトラブルがあった場合に対応する目的で採用した独自の方式で、教員らが記録を見ることはない。閲覧できるのは市教委の限られた担当者のみという。

 ただ、市教委は配布時にこの方針を保護者に伝えていなかった。個人情報を得る際は当事者に利用目的を明らかにすることが市条例で定められているが、思い至らなかったという。違反の可能性は9日の市議会委員会で公明市議が指摘。他会派の多くの市議とともに使用停止を求め、市教委が対応を迫られていた。

 全小中学生へのタブレット端末配布は国の「GIGA(ギガ)スクール構想」に基づくもので、名古屋では約16万台の配布が7月末までに終わる予定だ。(関謙次)

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    宮坂麻子
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2021年6月12日16時43分 投稿
    【視点】

    子どもたちのログをどこまで、どこに、どう残すのか。この春から、GIGAスクール構想による「1人1台」端末の活用が本格化し、今後、様々なデジタル活用が進む中で、各自治体が抱える大きな問題の一つだ。今回の名古屋市における個人情報保護条例と同意に

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