「野球ができる幸せ」 ここぞの代打、阪神・原口決めた

伊藤雅哉
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(8日、プロ野球交流戦・阪神3―2日本ハム)

 重苦しいゲームに一振りでけりをつけた。

 同点の九回2死二塁。正捕手の梅野隆太郎に代わって、阪神の原口文仁が打席に向かう。甘く入ったスライダーをとらえると、打球は前進守備の左翼手の頭上を越えた。今季も代打の打率は3割超だが、意外にもこれが初打点。「最高の場面で出してもらった。本当に一本出てよかった」

 自身は捕手にこだわりがあるが、梅野が正捕手に定着してからは主に代打で生きてきた。2019年に大腸がんの手術を乗り越え、奇跡の復活を遂げたのも交流戦だった。「原点というか、また野球ができている幸せを感じながらやっている」と語る。

 同じくベンチスタートが多い39歳の糸井嘉男も、その準備の仕方を学び、一目置く。普段の打撃練習でも柵越えを狙うような姿はない。強振したい思いを抑え、確実に仕留める。

 矢野燿大監督は「フミ(原口)があかんかったら仕方がないとあきらめられる選手」と評する。そして、しみじみと言った。「フミに助けられた試合やね」伊藤雅哉

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