どうする接種の二重予約 江東区長「教えてよ」と逆質問

東京インサイド

塩入彩
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 東京都江東区の山崎孝明区長は18日の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターの設置について、「唐突でびっくりしたと、どの区長も思っている」と述べ、政府の対応に不満を示した。

 山崎区長は東京23区の特別区長会会長。早急に解決すべき課題として、センターでの接種開始に伴うキャンセルでワクチンに余りが出た場合の対応を挙げ、「良い方法が見つかればいいが、まだない。教えてよ」と記者団に逆質問した。

 高齢者向けの接種が4月12日に始まった後、政府は同月27日になって「自衛隊大規模接種センター」の設置を発表した。東京と大阪に会場が設けられ、今月17日から予約の受け付けが始まった。ただ、センターと市区町村の予約管理システムは連携しておらず、二重に予約できることなどが問題になっている。

 山崎区長は「大規模接種に反対するわけではない」としつつ、「二重予約についてどうするかなどはまったく考えていなかった。急きょ出てきた問題。システムもまだうまくいっていない」と述べた。

 センターでの接種開始が24日に迫るなか、山崎区長は「早急になんとかせないかんのは二重予約の問題。余ったワクチンをどうするか」と指摘。「その場にいる人、区の職員、受付をやったりするボランティアや事業者などを含め、そのような人でも打っちゃうとか、具体的に決まっていない」と語った。

 また「(センターの)国の方で打ったと区にリアルタイムでデータが送られてくるならまだしも、送られてこない」と国のシステムに不満を示し、「(国が)『余ったものの利用は地方自治体の長に委ねる』とか言ってくれれば、そりゃうまいこと考えますよ。だけど、それすらない」と強調した。

 センターでの接種をめぐり区に問い合わせが寄せられているとして、「聞かれても答えようがないことが多い。国で予約相談センターでもつくってもらいたい。菅義偉首相が『一日も早くなんとか』という思いは、我々も強く持っているから協力するが、説明しようがない」とも語った。

 国からのワクチンの供給に関しては「そもそも、国の供給のスタートが遅い。一番の問題はそこだった」と指摘。「急に(区には高齢者の接種を)7月中に終えろと。最近になってワクチンが入ったから言うけれど、当初はそんなこと、到底、もう。うちなんて最初に来たのは2箱だから」と述べた。

 一方、77歳で高齢者接種の対象となる山崎区長は、会見で5月9日に自らも接種したことを明かした。「危機管理で見れば、私がかかって動けなくなったら、区民にご迷惑をかける」と説明した。(塩入彩)

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