国と企業の賠償責任認める アスベスト訴訟で最高裁判決

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阿部峻介
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 建設現場でアスベスト(石綿(いしわた))を吸って被害を負った作業員や遺族ら計約500人が国と建材メーカーに賠償を求めた4件の訴訟で、最高裁第一小法廷(深山(みやま)卓也裁判長)は17日午後、原告ほぼ勝訴とする判決を出した。①個人事業主である「一人親方」などに対する国の責任②被害に対するメーカーの責任、の2点を認めなかった一部の高裁判決を覆した。

同種訴訟、原告は全国33件で1200人

 計約1200人が原告となっている全国33件の「建設アスベスト訴訟」で、最高裁の判決は初めて。政府・与党は1人当たりの慰謝料額を最大2600万円とする和解案を検討しており、この日の判決を受けてほかの訴訟も含めて和解が進むとみられる。

 判決が出たのは、神奈川、東京、京都、大阪の4訴訟。①と②の争点について、国とメーカーの責任を認めた一部の高裁判決については上告を受理せず確定させ、認めなかった部分については弁論を開き、判断を見直すとみられていた。

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