五輪の年に伝えたい 陸上メダリストが負けて笑顔のわけ

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加藤秀彬
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 2008年北京五輪陸上男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した末続慎吾さん(40)は今も現役だ。4月のレースでは100メートルを10秒79で走り、40歳以上のマスターズ日本記録を更新した。自己ベスト(10秒03)にほど遠いのに走り続ける。そのわけは、東京オリンピック(五輪)を目指す選手たちへのメッセージでもあった。

円盤投げにも挑戦

 「なんでまた速くなってるのか、いよいよわかりませんね。でも、まだまだタイムは出ますよ」

 4月10日、末続さんは福岡県の九州共立大学で記録会に出場していた。今季最初の100メートルの試合だ。

 同じ組の7人中、自分以外は全員が大学生だ。「最後の5メートルで仕留めようと作戦を考えていました。こういう競り合いが好きなんですよね」と末続さん。ゴール手前で胸を懸命に突き出し、1着でゴールした。記録は10秒79。40歳の大台を迎えてもなお、過去3年間の自分より速く走った。

 この記録会では、初めて円盤投げにも挑戦した。理由は、面白そうだから。

 「それだけですね。それが本来のスポーツですよ」

メダルなんて欲しくない

 こう思えるようになったのは、北京五輪後の長期休養から復帰した後だ。それまでの競技生活は、「楽しい」と思えたことはほとんどなかった。

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 末続さんは、日本陸上界の常…

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