第6回「やつらが悪い」の誘惑 陰謀論、身近な人がはまったら

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聞き手・杉浦幹治
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 コロナ禍で、根拠のない「陰謀論」を信じ込む人が増えている。なぜはまり込んでしまうのか。身近な人がそうなってしまったらどう対処すればいいのか。陰謀論に詳しい評論家の真鍋厚さん(41)に聞いた。

 ――陰謀論に関心を持ったきっかけは

 私自身、高校生ぐらいまでは、超能力や超常現象を扱う月刊誌「ムー」の熱心な読者だった。我々の世代は、UFOだとか、ツチノコのような未確認動物だとかの流行を、子どもの時に体験している。けっこう信じていた時もあったが、基本的にはエンターテインメントとして消費していたと思う。

 知り合いにも昔からそういった話が好きな人はかなりいる。最近はまった人もいる。コロナによって傾斜具合に拍車がかかっていることは、それらの人たちに共通していると感じる。

 ――陰謀論は昔からあったというが、最近の特徴は

 「Qアノン」に代表されるような言説は目新しいものではない。「世界を支配している『やつら』」が、かつてはフリーメーソンだったり、ユダヤ資本だったりしたのが、「ディープ・ステート」になっただけだ。しかし受容の仕方やスピードは大きく変わった。

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 ――変化とは

 特に日本では、かつてフィクションとして消費されていた話が、真実に迫る情報として受け止められるようになった。背景として、バブル崩壊以降の「失われた20年」の存在がある。

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