ある高校生の納棺 「お着せ替え」を共にして心の整理に

有料記事それぞれの最終楽章

[PR]

それぞれの最終楽章・納棺(1)

納棺師・「おくりびとのお葬式」代表 木村光希さん

 私は、納棺師をしています。文字通り「故人さまを棺に納める人」ですが、ただ棺の中に納めるのではなく、故人がきちんと身支度した上で旅立てるよう準備する「納棺の儀」を担当します。故人さまのお体を拭き、清める。仏衣にお着せ替えをする。髪を整え、お顔に化粧を施す。すべての身支度を整えたら、棺に納める。納棺師となった主人公の成長を描いた映画「おくりびと」の公開で、広く知られるようになりました。

 これから私が納棺や葬儀を担当させていただいた方々についてご紹介致します。

 まず、バイク事故で亡くなった男子高校生Mさんのケースについてお話しします。10年ほど前のことですが、自宅に入った瞬間の光景はいまも目に焼き付いています。男女問わず、友人5~6人がふとんを囲んで、とめどなく涙を流していたのです。

 ご両親たちが「納棺の時間だ…

この記事は有料記事です。残り1213文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら