変異株が全国で感染押し上げ 尾身氏「二極化」と分析

田伏潤 市野塊
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 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。なぜ全国各地で感染が再び広がっているのか。

 政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は、12日の衆院厚生労働委員会共産党の宮本徹氏の質問に答えた。「多くの県で感染が増加すると同時に、一部の県で感染が下火になって『二極化』している。上にいく(感染者数が増える)圧力は変異株の問題。下にいく(感染者数が減る)圧力は人流」

 大阪府兵庫県で猛威を振るう変異株が、急速に広がっているとの分析だ。国立感染症研究所は、全国的に9割以上が英国型の「N501Y」に置き換わったと推計。変異株の感染力は従来株の1・3~1・9倍強いとされる。尾身氏は具体的な感染防止策として「接触感染よりマイクロ飛沫(ひまつ)感染が感染の伝播(でんぱ)としては重要」と述べ、飲食店などでの換気を訴えた。

 コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織が12日開いた会合では、「まん延防止等重点措置」がとられていない広島県岡山県の名前が挙がり、対象とすべきだと意見が相次いだ。

 新潟大の斎藤玲子教授(公衆衛生学)は、変異株の影響で対策が以前ほどの効果を発揮しない難しさを指摘。「感染をなるべく抑えつつ、その間にワクチン接種を進めていくしかない」と話す。(田伏潤、市野塊)

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