「笑顔の密を」ウェブで難病啓発 12日に患者会

松永佳伸
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 脳に特殊な炎症が起きて痛みなどが続く「筋痛性脳脊髄(せきずい)炎・慢性疲労症候群」などの難病を広く知ってもらう催しが12日、岐阜市で開かれる。JR岐阜駅前の信長ゆめ広場などが啓発カラーのブルーにライトアップされるほか、モザイクアートの披露や啓発用ラッピングトラックの発表などの様子をライブ配信する。

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 筋痛性脳脊髄炎世界啓発デーに合わせ、同市の患者会「笑顔の花びら集めたい」が主催する。東海3県で唯一、2013年からイベントを開き、患者の応援と病気への理解を呼びかけている。

 同会代表の塚本明里さん(31)=可児市=は、同じ病気を抱えながら芸能活動などを続けている。16歳で発症し、全身が痛む線維筋痛症と脳脊髄液減少症を併発し、痛み止めの注射を全身に打っているという。

 今年のテーマは「笑顔の密を集めたい」。8日には同市日ノ出町の同会事務所でプレイベントを開き、患者を応援する仲間たちから寄せられた動画を配信した。啓発デーの12日は、世界中のランドマークが啓発カラーのブルーでライトアップされる。県内では、信長ゆめ広場や丸窓(まるまど)電車のほか、美濃市の旧名鉄美濃駅と揖斐川町の旧名鉄谷汲駅にある丸窓電車をライトアップする。

 同会は午後7~8時に「笑顔の密モザイクアート」や啓発用ラッピングトラックを披露したり、筋痛性脳脊髄炎の現状をリポートしたりする。その様子はユーチューブチャンネル「笑顔の花びら集めたい」でライブ配信する。

 塚本さんは「離れていても心はつながっていると思う。リモートでみんなの笑顔の密を集め、病気のことを一人でも多くの人に知ってもらいたい」と話す。

 筋痛性脳脊髄炎は、感染症などをきっかけに原因不明の激しい倦怠(けんたい)感に襲われ、疲労や微熱、筋肉痛などの症状が長く続く。外見からは伝わりにくいうえ、一般の検査では異常を見つけることができず、治療法も見つかっていない難病だ。同会の関係者は「慢性疲労という病名のせいで『休めば治る』と誤解され、周囲から理解してもらえない患者も多い」と話す。

 診断された人の3割がほぼ寝たきりの状態とされる。

 新型コロナウイルスに感染し、後遺症に悩む人の中から診断されるケースもあるという。

 問い合わせは、同会(090・1750・2732)へ。(松永佳伸)

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