LGBT法案、野党が再修正を要求 差別禁止規定など

二階堂友紀
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 性的少数者をめぐるLGBT法案の与野党協議で、立憲民主党など野党側は10日、自民党が修正案を示した「理解増進」法案に対する再修正案を提示した。野党の「差別解消」法案を踏まえ、差別禁止規定などを盛り込むよう求める内容。自民党はさらなる修正が可能かどうか検討する。

 自民党は同日、超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」(馳浩会長)の総会で、法目的に「差別は許されない」などと記し、差別解消のための理解増進との位置づけを示す修正案を公表した。

 これに対し立憲民主党など野党側は、①性的指向や性自認を理由とした差別の禁止、または不利益な取り扱いの禁止規定を設ける②国や地方公共団体の役割(理解増進に関する施策を策定し、実施)を努力義務から「責務」に変える③地方公共団体の施策を妨げないことを明示する――といった再修正を求めた。

 野党側が③を要求しているのは、当事者らが「パートナーシップ制度導入の動きを阻害する懸念」などを指摘しているからだ。

 自民党は「同性婚容認は相容(あいい)れません」「『パートナーシップ制度』についても慎重な検討が必要」(党作成のパンフレット)という前提のもと、理解増進法案を掲げる。このため法施行後に自治体が萎縮し、同性カップル公認制度などが導入しにくくならないか心配する声が出ている。

付帯決議など模索か

 与野党協議を担当する自民党の稲田朋美衆院議員は総会後、記者団に「(法案成立の)最後のチャンスだと思っている」としつつも、「再修正は非常に厳しい」と述べた。一方で「自治体の取り組みを阻害するつもりはない。法案でない形で担保したい」とも語り、野党側の提案を付帯決議などに盛り込んで折り合えないか模索する考えを示唆した。

 野党側実務者を務める立憲民主党の西村智奈美衆院議員は、自民党の修正案を「前進」と評価したうえで、「無理筋な話はしていない」と再修正の必要性を強調した。与野党は14日にも議連の総会を開き、修正協議の結果を報告する方針だ。(二階堂友紀)

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