社会全体が「権力に弱い体質」に 前川喜平元次官の警鐘

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聞き手・中村尚徳
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 表現・言論の自由のいまを考えようと、元文部科学事務次官の前川喜平さんを訪ねた。話は講演会の後援拒否から、広がる「忖度(そんたく)」の風潮、近年の政治や教育の現状に発展した。

     ◇

 第2次安倍政権以降、権力に忖度する態度が日本中に蔓延(まんえん)している。元々あった風潮がさらに強まってきた。栃木県大田原市などが私の講演会の後援を拒んだのも、権力に忖度した一例といっていい。

 その傾向を痛感したのは昨年の一斉休校。どう考えても科学的根拠はなかった。必要性のある地域もごく一部あったかもしれないが、全国で一斉休校する理由はなかった。

 文科相でさえ抵抗したのに、安倍晋三首相(当時)の言い分が通った。ほとんどの自治体が右にならえした。もう思考停止状態。ろくに議論せず、自ら判断せず休校をズルズル続けた。

 その結果、計り知れない悪影…

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