「飲み会」の未来、チェアリング提唱者と考える

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聞き手・滝沢文那
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 コロナ禍で「飲み会」はめっきり減った。近年はお酒を飲まない人も増え、お酒の席がハラスメントの温床になっているという指摘も多い。ライターのスズキナオさん(42)は、盟友の酒場ライター・パリッコさんと酒飲みユニット「酒の穴」を結成、屋外にイスを出してのんびりくつろいだりお酒を飲んだりするチェアリングを提唱したり、コロナ禍での「家飲み」を楽しむ共著を出したりと、新たなお酒とのつきあい方を模索してきた。飲み会受難の時代、“若手飲酒シーンの旗手”スズキさんは「酒なき」飲み会の未来をも見通す。

 ――コロナ禍でオンラインで飲み会をやる人が増えました。

 僕も「ズーム飲み」をたくさんやっていた時もあって、その面白さは今もあると思うんですけども、逆に足りないものがわかってきちゃったという感じがします。

 良い面からいうと、すぐに始めたり、好きな時に抜けたりできる。例えば、子どもが寝ている間だけ参加することも。現実の飲み会だと無理ですよね。「オギャー」と泣き出したところで、「じゃあちょっと行ってくるね」とか、その感じはすごくいいなと思っています。

 実際、今後お店で飲めるようになっても、オンラインで飲む選択肢はあり続けるんだろうと思います。

 離れた場所に住む友達とは、「こんなに話したことない」というぐらい話しましたが、本当にとにかくしゃべるというだけになってしまう。目的がむき出しになってしまっている感じがします。

 よく飲み仲間で酒場ライターのパリッコさんと話すのが、お店にいたら話の途中でメニューが目に入ってきたり、隣の席の話し声が聞こえてきたり、店員さんが料理を持ってきたり、そういう一種のノイズがある。会話に集中しようとしたら邪魔な要素というのが周りにたくさんあって、むしろ、自分たちはそれを楽しんでるんだよなぁと。

 ――スズキさんは、パリッコさんなどと一緒に『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』(STANDBOOKS)を刊行されました。コロナ禍にあって、「お酒を飲む」ということを楽しもうという取り組みをされていますね。

 オンラインで飲んでいると話が尽きてくるんですよ。居酒屋さんで飲んでいる場合、店を変えれば、新しい楽しみがある。家にいるとそうもいかないので、色々仕掛けをしてみようということで作った本です。

 ――それぞれ同じおつまみを手元に用意して飲んでみるなど、様々な試みがありますね。

 空間を隔てているんだけども…

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