菅首相を支える「秘密結社」にほころび 息を潜める派閥

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岡村夏樹 山下龍一
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 米大統領との会談に向けて日本を発った菅義偉首相の傍らに、自民党衆院議員の坂井学官房副長官の姿があった。

 内閣官房副長官は2人の政治家と1人の官僚経験者からなり、首相の政権運営を支える。とりわけ政務担当は首相外交への同行や、官邸と与党の連絡役としての重責を担う。

 首相側近としてこのポストを得た坂井氏が失態を演じたのは、4月1日のことだった。

 首相支持の自民党無派閥議員でつくる「ガネーシャの会」の面々が坂井氏の呼びかけで官邸に集まり、定例の会合を開いたのだ。コロナ感染防止策として、計13人が三つの部屋に分かれて弁当を食べ、マスク姿で意見交換したという。

 行政府のトップが執務する「公務」の場を、派閥的な活動に利用するのは異例中の異例だ。加藤勝信官房長官が厳重注意し、坂井氏ものちに陳謝したが、当初は記者団からの追及に「何が問題なのか」と応じるなど、質問の意図を理解できていない口ぶりだった。

 前代未聞の出来事に、与野党から批判が相次ぎ、首相に近い自民党の佐藤勉総務会長でさえ、「ひいきの引き倒しと見られてもしょうがない。私の政治生活で聞いたことがない。副長官としての認識を改めて頂くことが必要ではないか」と苦言を呈した。

首相が漏らしていた「一番信頼しているのは坂井だ」

 事実上初めて誕生した無派閥…

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