フジ・メディア・ホールディングス(HD)の外資規制違反問題で、総務省は同社から相談を受けた当時の保管資料を衆院総務委員会に提出した。ただ、規制違反を把握しながら口頭注意で済ませた経緯に関する記載はなく、当時の対応には不透明さが残っている。

 資料は、①フジ側が2014年12月に総務省に相談したときの説明資料②総務省内で当時まとめた「概要メモ」③当時対応を検討する際に参考にしたという1981年の内閣法制局の見解――の3点。15日に総務委が開かれるのを前に、同省が14日に提出していた。

 国会では、同社を処分しなかった当時の総務省の対応が疑問視されており、「概要メモ」の内容に注目が集まった。だが、概要メモには、違反の事実と関連する法律の条文を整理した記述があるだけで、肝心の処分を見送った根拠や議論は記されていなかった。

 同時に提出された81年の内閣法制局の文書には、電波法上の放送局の免許について、外資規制の違反状態が解消されていると免許の取り消しは難しいという趣旨の見解が示されていた。同省はこれまで、これを参考に、当時処分を見送ったと説明してきた。だが、14年に法制局に改めて見解を聞くことはしておらず、15日の衆院総務委では「後付け(の根拠)ではないのか」(立憲民主党の松尾明弘氏)との疑問が出た。

 フジ側の説明資料は12月8日付で、同社幹部が最初に総務省を訪ねたのは「12月8日ごろ」だったことも明らかになった。

 15日の参院総務委には、フジ…

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