「敗者に厳しい日本」 釜ケ崎を知った女子中学生は今

有料記事ほんまもん

聞き手・生田大介
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 14歳でホームレス問題を知り、その解決のためにシェアサイクル事業を始めた認定NPO法人「ホームドア」理事長の川口加奈さん(30)。大阪市内で困窮者に宿泊場所を提供し、再出発に向けた支援にも取り組む。めざすのは「誰もがやり直せる社会」。その思いを聞いた。

 ――活動を始めたきっかけを教えて下さい。

 「中学校からの帰り道に、電車の窓から釜ケ崎(大阪市西成区)でホームレスの人がたくさん並んで何かをもらっているところを見たんです。何の列だろう、日本は豊かなのになぜ、と思って。(実態を知ろうと)炊き出しや、夜回り(弁当を配って声をかける活動)に加わるようになりました」

 「最初は『勉強したらホームレスにならなかったんじゃないの』と本人に質問してしまったこともあります。でも身の上話を聞くと、子どもの頃に勉強できる家庭環境になかったような人も多かった。自己責任という言葉ですませてはいけないのではないか、やり直したいという気持ちを応援したい、と思ったんです」

 ――19歳のときに仲間と「ホームドア」という団体をつくり、社会起業家としての道を歩み始めました。

 「(団体名は)心の居場所を失ったホームレスの人が、温かい家に入るための『扉』の役割を担おうという意味です。駅のホームドアのように、人生というプラットホームから転落させないための最後の砦(とりで)になろう、という思いも込めています」

 ――ホームレスの人に働いてもらうシェアサイクル事業「ハブチャリ」で成功されました。

ホームレスの方々に仕事を担ってもらい、路上生活から抜け出す要素を細かく提供するのが、川口さんたちの解決策だと言います。昨今の困窮者事情や、将来の目標を聞きました。

 「路上生活を脱するには仕事…

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