東京の変異株陽性率、9倍に「大阪、ひとごとじゃない」

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池上桃子
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 強い感染力を持つとされる新型コロナウイルスの変異株の感染が、東京都内で急拡大している。都内のスクリーニング検査で見つかった感染者の比率は2週間で9倍に増え、病院や高齢者施設でクラスター(感染者集団)が確認された。このまま変異株の感染が広まれば、大阪府のように感染者数の急増につながる恐れがある。

 「大阪はひとごとではない。2、3週間後の東京の姿になることは十分にあり得る」

 都医師会の猪口正孝副会長は13日の会見で、都内での変異株の感染拡大についてそう危機感を示した。大阪で広がっている英国型の変異株は、感染力が従来の株より強いとされ、1人が何人に感染させるかを表す実効再生産数が従来株の1・43~1・9倍。重症化率が上がる特徴もあり、世界保健機関(WHO)の定義に基づき「懸念される変異株」と分類されている。ウイルス表面の「スパイク」と呼ばれるたんぱく質に「N501Y」という変異があり、これが関連しているとみられる。

 その変異株がいま、都内でも急速に広まりつつある。都が1週間ごとにまとめているスクリーニング検査の陽性率でみると、3月28日は3%だったが、4月4日は16%、11日は28%と、2週間で9倍超に急増した。

 都は、変異株の感染状況を把握するため、昨年末からスクリーニング検査を実施。国の公表分を含めると、15日までに都内で計476人の感染が確認された。13日には過去最多となる80人の感染を発表。検査を担う民間機関が3社に増えたことも背景にあるが、13日以降は病院(感染者18人)や高齢者施設(同5人)で相次いで変異株によるクラスターが発覚するなど、感染拡大の傾向は顕著となっている。

 大阪府の報告によると、従来型のウイルスと比べて、この変異株の感染者は重症化するリスクが高いことが特徴だ。第3波で5・5%だった40代以上の重症化率は10・7%に、8・8%だった60代以上の重症化率は22・7%に上昇しているという。

 変異株の感染者の増加がもた…

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