大物ルーキーは本塁打とスイーツ好き 青学大の佐々木

編集委員・安藤嘉浩
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 東都大学野球リーグに、大物ルーキーが出現した。青学大の佐々木泰内野手。いきなりデビュー戦から2試合連続本塁打を放った強打者は、母の手料理を恋しがるふつうの18歳でもある。

 「たくさんの人からお祝いのメッセージや電話をもらいました」。華々しいデビュー戦から3日後、18歳はオンライン取材で初々しく語った。母校の県岐阜商・鍛治舎巧監督(69)には電話で報告し、「よく打ってくれた。後輩も喜んでいるよ」と言われたという。

 デビュー戦は5日にあった立正大との1回戦(神宮球場)。5番三塁手で先発出場し、2―2で迎えた八回、2死二塁から左翼席に勝ち越し本塁打を打ち込んだ。「はじめは緊張もあったけど、先輩たちが声をかけて、ほぐしてくれた。チャンスではそれほど緊張せず、打席に入れました」。9日の同2回戦は二回に先制ソロ。2試合連続、2打席連続の本塁打となった。

 岐阜県大垣市出身。県岐阜商には実家から電車と自転車で通っていたため、初めて寮生活を送る。1月下旬に入寮した後、いったん地元に戻り、3月1日の卒業式を終えて練習に本格参加した。「最初は折れるのが怖かった」という木製バットは、「金属と変わらないフルスイングを心がける中で、ミート力を高めていけた」という。

 身長179センチ、体重80キロ。いきなり背番号「3」をつけて堂々とプレーする姿に、青学大の安藤寧則監督(43)も「物おじしないし、バットを振っていく姿勢が素晴らしい」と目を細める。

 2人部屋の寮では、日大三(東京)出身で同じ1年生の児玉悠紀と同室。「すっかり打ち解けて仲良くやっています」。寮の食事も「おいしくいただいています」と言うが、「たまに母の手料理が食べたくなります。回鍋肉とか、肉じゃがとか。いつもお肉を使った料理を用意してくれました」と打ち明ける。

 授業を受けるコミュニティ人間科学部のキャンパスは、グラウンドと寮もある神奈川県相模原市にある。コロナ禍で外出は控えているが、「せっかく首都圏に来たので、渋谷や新宿に出かけたい。洋服を見たり、スイーツを食べたりするのが好きなんです」と18歳らしい素顔ものぞかせた。

 昨夏の甲子園交流試合でも本塁打を放った。神宮デビューも最高の形で飾り、「もっと、もっとという気持ちに自分はいつもなるんです。変に力が入らないよう、打席では冷静にチームの勝利につながる打撃を心がけたい」とさらに前を向く。目標はでっかく、同じ青学大の井口資仁(現ロッテ監督)が持つ通算24本塁打のリーグ記録。「偉大な先輩に近づき、追い越せるようなプレーヤーになりたい。4年間、妥協することなく頑張っていきます」と目を輝かせた。(編集委員・安藤嘉浩)

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