奇抜な卵形のデザインなどで1970年万博の注目展示の一つとなった「人間洗濯機」。それにヒントを得て企画された新型が2025年大阪・関西万博にお目見えするかもしれない。開発に携わるのは半世紀を超えてつながった当時の担当者と大阪の入浴装置メーカーの経営者ら。いったいどんな進化を遂げるのか。

 「『こんなアホなことできるんか』と思ったけれど、『ワシも風呂入れさせてや』と、たくさんの人に声をかけてもらった。最高に幸せな瞬間だった」

 人間洗濯機の開発担当だった元三洋電機のデザイナー、上田マナツさん(86)は51年前の万博での展示を振り返る。三洋創業者の故・井植歳男さんの指示で約3年かけてつくったものだ。

 人間洗濯機は、70年万博のパビリオン「サンヨー館」に展示された「ウルトラソニックバス」。卵形をしていて、中のガラス張りの浴槽に入ると、お湯が自動でたまる。満杯になると、今度は300個のカラーボールがでてくる仕組み。ユニークな展示を見ようと連日、行列ができた。

 三洋が国内メーカーで初めて発売した「噴流式洗濯機」の技術を採用。超音波で発生させた気泡で、体の汚れを落とすという画期的な機器だった。

人間洗濯機を「頭に焼き付けた」少年

 その万博に何十回と通い、人間…

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