北海道の中2が目指すクイーン 近代五種で狙う東京五輪

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能田英二
【動画】近代5種に13歳の新星、五輪出場をめざす太田捺さん=能田英二撮影
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 国内ではあまりなじみのないスポーツのひとつ「近代5種」。本土最東端、人口2万5千人足らずの北海道根室市に13歳の新星が現れた。東京五輪の出場をめざし、世界で戦っている。

 根室市立光洋中学校2年の太田捺(なつ)選手(13)は、春の新学期を遠征先の欧州で迎えた。3月24日には、女子日本代表の一員として初めて臨んだワールドカップ(W杯、ハンガリー・ブダペスト)で、堂々のデビューを果たした。

 コロナ禍で休止していたW杯が再開された初戦。太田選手は予選の最後の種目レーザーランで先行する選手をごぼう抜きし、首位タイで決勝に進んだ。ユース世界選手権の17歳以下、リレー金メダルという実績があったとはいえ、国際近代五種連合(UIPM)はこの活躍を「センセーションを巻き起こした」と速報した。翌日の決勝は馬術での落馬が響いて33位だったが、日本協会関係者も予選の躍進には驚きを隠せなかった。

近代5種

 1人の選手が1日に、①フェンシング②水泳③馬術④⑤レーザーラン(④射撃5的+⑤800メートル走を4回)の順に競う。近代五輪を提唱したクーベルタン男爵が考案し、「キング・オブ・スポーツ」の異名を持つ。専門性の高い競技で争うことから順位が最後まで入れ替わり続ける。2012年ロンドン五輪から射撃のピストルがレーザーになり、門戸を広げている。

 太田選手が競技を始めたのは菅原美香コーチ(42)との出会いがきっかけ。小学3年生で、本格的に水泳をしようと菅原コーチが指導する「根室スイミングクラブ」に姉の楓さん(15、根室高校1年)とそろって入った。ほどなく全道の水泳大会に出場する力をつけた。

 菅原コーチはその翌年、姉妹…

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