宿泊療養ホテルに「期日前投票所」 国政選挙では全国初

河井夫妻の公選法違反事件

大久保貴裕
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 公職選挙法違反(買収)の有罪判決が確定した河井案里氏の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙が8日、告示された。今回の選挙では、広島県内の自治体が、新型コロナウイルス患者が宿泊療養するホテルに期日前投票所を設置することになった。コロナ患者は外出の制約があり、全国各地の選挙で「投票権が実質的に奪われている」との指摘があった。総務省によると、大型地方選と国政選挙では全国初という。

 広島県選挙管理委員会などによると7日現在、47人が県内のホテル4カ所で療養している。投票所はこのすべてに設置する。コロナ患者の対応は公職選挙法に明確な規定がなく、全国各地の選管が対応に苦慮してきた。

 総務省は3月10日、衆参3補選・再選挙がある北海道、長野、広島の3道県の選管に対し、「ホテルなどの宿泊施設に期日前投票所を設けた場合には投票が可能」との解釈を示す通知を出していた。

 しかし、患者のプライバシー保護の課題があった。公選法は「期日前投票所の場所を告示しなければならない」と定めるが、広島県は療養用のホテル名を公表していない。同省が4月7日に、自治体名までの明示でよいとの解釈を各選管に通知したことから、広島県内の各自治体は設置に踏み切った。

 投票所にはアクリル板越しに立会人を置き、患者が触れる鉛筆や掲示物などは1人が使うごとに破棄するなどの感染防止対策を講じる。(大久保貴裕)

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