いっそ聖火は車で走ったら? 五輪史専門家と考える

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 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な大阪府で、公道での東京五輪聖火リレーが中止される見通しとなった。愛知県では「女人禁制」の区間が「五輪憲章の理念に反する」として変更を迫られたことも。聖火リレーはどうあるべきなのか、筑波大の真田久特命教授(五輪史)に聞いた。

 ――新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、聖火リレーのあり方は再考すべきなのでしょうか。

 聖火の起源は、古代ギリシャで神殿や市役所などにともされていた火。その火にはヘスティアという女神が宿っていて、火がともっている限り、その都市は平和と幸福が約束されると信じられていた。

 コロナ禍に見舞われ、社会に分断や対立が生じる時だからこそ聖火リレーは大事ではあるが、感染拡大の地域では、やり方は変更した方がいい。聖火リレーが感染拡大や五輪への反感の原因になっては意味がない。聖火リレーが全国を巡ることの意義とリスク、両方を考えるべきだ。

 今後も感染状況次第では聖火がつながらない区間が出てくるかもしれない。ランナーが実際の道を走ればどうしても人が集まることは避けられない。いっそ聖火を載せた車が感染拡大地域を走る方法にしてはどうだろうか。聖火ランナーとして走る予定だった人には、インタビューでトーチを手に五輪への思いなどを語ってもらえばいい。

五輪も「女人禁制」の歴史

 ――大阪府は府内全域で、公道での聖火リレー中止を決めました。

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