寂聴さんと橋田寿賀子さん 手を取り合って語ったこと

有料記事

[PR]

 瀬戸内寂聴さんの連載コラム「残された日々」。今月は4日に亡くなった脚本家橋田寿賀子さんとの思い出をつづってくれました。同世代の2人が手を握り合って語ったこととは――。

     ◇

 橋田寿賀子さんが、四月四日に亡くなった。今年の寂庵は桜が遅く、開花の華やかな最中であった。急性リンパ腫だったという。

 いよいよ次は私の番だな。

 橋田さんは一九二五年生(うま)れで、私は三歳早い二二年生れである。

 私は四国の徳島で、橋田さんは大阪で、物心ついた時から、大人たちの口にする非常時という言葉の中で育った。「戦争」を空気や水のように呑(の)みこんで育った。

 青春時代、恋の対象になる相手は、すべて戦争に捕られていて、まわりにはいなかった。

 結婚の相手は、トラック一杯の女に、男一人と言われていた。

ここから続き

 未婚の女たちは、結婚のかわ…

この記事は有料記事です。残り887文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら