木村浩之、黒田壮吉、増山祐史
高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が12日にも始まる。その後は、持病のある人や高齢者施設などで働く人たちにも順次広げられる予定だ。感染拡大の「第4波」を抑え、日常生活を取り戻す切り札になるのか。(木村浩之、黒田壮吉、増山祐史)
東京都八王子市は5日、今週届く1950回分のワクチン接種の予約を受け付けた。インターネットのほか、コールセンターに35台の電話を用意。だが開始時刻の午前9時になると申し込みが殺到し、つながりにくい状況に。1時間半で締め切られた。市役所には、予約できなかった高齢者が集まり、職員が対応に追われた。糖尿病などを患う会沢卓治さん(67)は「できるだけ早くワクチンを打ちたかった。対応できる人数を増やしてほしい」と話した。
お年寄りが集まる街として知られる東京・巣鴨。
衣料品店「マルジ」常務の工藤秀治さん(67)もワクチンに期待する一人だ。感染拡大で商店街の人通りはめっきり減り、売り上げも落ち込む。常連客と電話で話すと「感染が怖くて、電車に乗るのが嫌だ」「ワクチンが普及して安心して移動できるようになったら、また行く」と言われるという。工藤さん自身もワクチン接種を受けるつもりだ。「早くにぎわいが復活してほしい」
国が想定するワクチン接種のス…