感染者数、桁違いに少ない日本 でも二の次の高齢者施設

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熊井洋美 編集委員・辻外記子 中田絢子
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 高齢者施設での感染拡大が抑えられなかった新型コロナ流行の「第3波」。検査体制や病床の確保も後手に回り、死者の急増を招いた。

 東京都内の高齢者施設のグループホームに入所する女性(90)が1月上旬に発熱し、コロナ陽性がわかった。持病もあり入院先を探したがみつからず、施設にとどまった。

 全室個室だが、女性の感染が判明するまで、入所者は食堂に集まって食事をしていた。認知症があり、マスクを着けていられない人も多い。2週間ほどで、18人中15人の入所者と職員2人のクラスター(感染者集団)が発生した。

 血中の酸素飽和度が、酸素吸入が必要になる値まで下がった女性がいた。119番通報すると救急車はすぐ到着したが搬送先が見つからず3時間以上待ち、約50キロ離れた医療機関に運ばれた。その後女性は亡くなった。1週間ほどの間に状態が悪化した5人の入院先を探したが、入院できたのは2人だった。大半の感染者の容体が落ち着いた1月下旬、保健所から「今なら入院できます」と言われたという。

 施設長は言う。「家庭的なケ…

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