技能実習生が払う法外な手数料 ベトナム政府が身内批判

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ハノイ=宋光祐
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 ベトナム人技能実習生が本国の人材派遣会社に法外な手数料を支払わされる問題について、ベトナムの政府監査院が、担当省庁の不十分な監督が原因だとする検査結果をまとめた。常態化している高額な手数料をめぐって、政府機関の責任が指摘されるのは異例だ。ベトナム側の対応次第では、日本の今後の技能実習制度の運用にも影響する可能性がある。

 共産党機関紙ニャンザンなどによると、政府監査院は2012~18年の期間を対象に、労働者の海外派遣を担当する政府機関の取り組みを調べた。3月4日に明らかにした検査結果では、担当する労働・傷病兵・社会問題省について、「海外で働く労働者の正当な権利と利益に適正に関心を払っていない」と批判した。

 ベトナムでは海外に派遣される労働者が14年から6年連続で年間10万人を超えている。昨年は新型コロナウイルスの影響で、派遣者数が約8万人に減ったが、日本は18年から3年連続で半数近くを受け入れる最大の派遣先になっている。その大半が技能実習生だ。

 日本への派遣は、政府の認定を受けた「送り出し機関」と呼ばれる民間の人材派遣会社が担う。ベトナム政府の規定では、送り出し機関が実習生から徴収できる手数料は上限3600ドル(約40万円)と定められているが、ほとんど守られていない。そのため、実家の土地などを担保に借金を背負って日本へ向かうベトナム人が後を絶たない。

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 実習生の負担するお金が法外…

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