コロナ禍で注目、放送大学の世界 現役大学教授も受講中

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佐藤剛志
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 新型コロナウイルスの感染拡大により大学での遠隔授業が広がるなか、早くから場所に縛られない教育を行う放送大学(本部・千葉市)が注目される機会も増えた。経済的事情を抱えながら大卒資格を得たい人の「セーフティーネット」の役割を担い、年齢に関係なく学べる生涯学習の機会を提供してきた同大だが、近年になって様々に変化している。

 放送大学は文部科学省総務省が所管する通信制大学で、学生はテレビのBS放送、ラジオ、インターネットなどで学ぶ。1983年に開学し、85年から授業を開始した。大学卒業を目指す全科履修生(最長10年の在学が可能)のほか、特定の科目を学ぶ選科履修生(1年)と科目履修生(半年)がある。2001年には大学院の修士課程、14年には博士後期課程も設置され、全体の在籍者は9万人近くにのぼる。

 学部は教養学部のみで、在学生の46%が50代以上だが、10代と20代も計18%いる。かつては大卒資格を得るのが主目的という人が多かったが、現在では学部在籍者の4割を大学・大学院卒業者が占めている。会社員が仕事で役立てようと経営学系の科目を履修したり、小中高校の教員が特別支援教育に関する科目などを学んだり、入学理由は多様化している。学生は授業の大半をパソコンでいつでも視聴でき、15年からは単位取得までの全てがネットで完結するオンライン授業も始まった。

 全科履修生は「生活と福祉」「社会と産業」「情報」などの6コースから選択する。卒業後、別のコースを選んで再び入学する人も少なくない。全てのコースを卒業すると、名誉学生(グランドスラム)とたたえられる。

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 三重大学教育学部の須曽野(…

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