アストラゼネカ製、血栓との因果関係なし EU専門機関
英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの接種後に血栓ができる事例が報告された問題で、欧州連合(EU)の専門機関、欧州医薬品庁(EMA)は18日、「ワクチンは安全で効果が見込める。感染による重症化を防ぐ利点は、副反応のリスクを上回る」と結論づけた。
フランス、ドイツ、イタリアなどは見合わせていた接種を19日から再開する。
症例を分析したEMAによると、ワクチン接種と血栓のリスクとの因果関係は確認されなかった。EU諸国や英国だけで約2千万人に接種されているのに対して、血栓の報告は470件と一般に起きる割合より低いとも説明。特定の製造ロットや工場にも問題は見当たらなかったという。
ただ、血栓症のなかでも「極めてまれな事例」については、ワクチンが引き起こした可能性が排除しきれておらず、検証を続ける。そのうえで、情報を周知する必要性を指摘した。
欧州では十数カ国がアストラゼネカのワクチン使用を見合わせていた。ドイツのシュパーン保健相は記者会見し、「非常にまれに血栓症が起きる危険性は、ワクチンを接種しない危険性よりも低いと考えられる」として、19日からの接種再開を発表した。
イタリアではローマやミラノといった都市を含む国の大部分で15日から約3週間のロックダウン(都市封鎖)中だ。ドラギ首相は「政府が優先すべきは、可能な限り短い時間で、できるだけ多くの接種を成し遂げることだ」と述べた。カステックス仏首相は「信頼できる(ワクチンだ)と示すため」として自らも接種を受けるという。スペインも24日からの接種再開を決めた。(ブリュッセル=青田秀樹、ベルリン=野島淳、ローマ=大室一也)
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