LINE個人情報問題、自治体困惑 公共サービスに活用

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 無料通信アプリ「LINE」利用者の個人情報が中国の業務委託先から閲覧可能になっていた問題で、サービスを活用する全国の自治体に困惑が広がっている。LINE側に事実確認を求めるなど対応に追われている。

 LINEは、公共サービスをLINEアプリで利用できる仕組みを整えるなど、自治体との連携を積極的に進めている。

 全国で初めてLINEによる住民票の写しの申請受け付けを始めた千葉県市川市は17日、受け付けを一時停止すると発表した。村越祐民市長は「市民の情報が第三者に流れるリスクが払拭(ふっしょく)されない限り、市民に安心して利用していただけない」と話した。

 市によると、申請時に顔写真付きの身分証明書を送る必要がある住民票などの受け付けを停止する。申請数は昨年4月から今年1月までに約1600件で全体の1%という。

 神奈川県は昨年8月、行政のデジタル化を進めようと、LINE執行役員の江口清貴氏を県のCIO(情報統括責任者)兼CDO(データ統括責任者)に任命した。新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養する人の健康状態の確認などにもLINEを活用している。包括協定の窓口である県未来創生課の担当者は「情報を収集したい」としている。

 2016年にLINEと連携協定を締結した福岡市。子育てや新型コロナ対応などの様々な情報発信や、粗大ごみの回収受け付けなどの市民サービスに活用してきた。

 朝日新聞の報道を受け、市は「事実関係を確認中」と説明する。市内に本社を置くLINE子会社に事実関係を問い合わせたが、個別での回答は得られていないという。

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 提供サービスのうち、災害時…

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