スパコン「富岳」、前倒しで本格稼働 計算速度2連覇中

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杉浦奈実
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 理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が9日、予定を前倒しして本格稼働を始めた。調整中だった昨年、スパコンの計算速度の世界ランキングで2期連続世界1位を達成。既に新型コロナウイルス対策にも使われているが、今後は災害対策など幅広い分野で使われることになる。

 神戸市の理化学研究所計算科学研究センターでこの日式典があり、理研の松本紘理事長が「速さだけではなく、使いやすさや安定性を主眼に開発してきた。既に新型コロナウイルス対策などで期待値が非常に高い。国民の皆様に愛される『富岳』にしたい」と共用開始を宣言した。

 松岡聡センター長は「開発開始から10年。共用の日を迎え、感涙の思いだ。今後、皆様にいち早く成果を届け、将来につなげていく。全国、世界の研究者と協力していきたい」と話した。

 富岳は理研の先代スパコン「京(けい)」の後継機で、京の約100倍の性能を持つ。箱のような見た目の装置にはスパコンの心臓部の中央演算処理装置(CPU)が最大384個入っており、これを432台つないでいる。開発費は約1300億円で、うち約1100億円が国費だ。

 昨年5月に同センターへの設置が終わり、システムの調整を進めてきた。本格稼働は今年4月1日からの予定だったが整備が順調に進み、前倒しすることになった。

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 昨年6月の計算速度世界ラン…

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