BLMとは何なのか? 「正義」求め続ける現場を歩く

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ミネアポリス=藤原学思
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 米ミネソタ州ミネアポリスで昨年5月、黒人男性のジョージ・フロイドさん(当時46)が白人警官から首を圧迫され死亡した事件は世界に衝撃を与え、「ブラック・ライブズ・マターBLM)」の運動の高まりにつながった。事件で殺人罪に問われた元警官のデレク・チョービン被告(44)は8日、地元の裁判所に出廷した。公判は9日以降に始まる。その前に、現場周辺を歩いた。

 高さ4メートルの金網フェンスに、色とりどりの花が差し込まれる。赤、白、黄色、ピンクにオレンジ。その数はどんどん増えていく。

 7日、裁判所が入る郡庁舎の前に、500人ほどの市民が集った。フロイドさんに弔意を示すため、ほぼ全員が黒い服を着ている。

 フェンスは公判を機にデモが激化した場合に備え、庁舎を囲む形で設置された。敷地内には銃を携えた州兵の姿も見える。新型コロナウイルスの影響もあり、法廷内への立ち入りは厳しく制限される。

 追悼デモはBLM運動に関わる地元の人たちなどが催した。代表のシャンティル・アレンさん(47)は「この裁判は、フロイドさんが殺害されたという事実のためにある。それをみんなにわかってほしい」という。

 《息ができない》。デモの参加者は、フロイドさんの最期の言葉を記した横断幕を掲げ、2時間、街を歩いた。すぐ後ろでは6人の黒人男性が汗をかきつつ、脇に雪が残る道をいく。数十本の赤いバラが載せられた、白い棺(ひつぎ)をかついで。

 道中では約9分間、道路に座り込んで黙禱(もくとう)を捧げた。フロイドさんが、チョービン被告から首元を圧迫された時間だ。

 デモの参加者が裁判に期することとして口にしたのは、「正義」だ。

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 学校職員のデショーン・マク…

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