拡大するコロナ下で読み解く 風の谷のナウシカ
コロナ禍の今こそ、宮崎駿監督の傑作漫画『風の谷のナウシカ』について語り尽くそうというこの企画。今回は少女漫画界の巨匠・竹宮惠子さんの登場です。竹宮さんの代表作『地球(テラ)へ…』と『ナウシカ』には、テーマや物語の展開などに、実は多くの共通性があります。一方、『ナウシカ』と『鬼滅の刃』は漫画表現として両極端の関係にある、とも。漫画家であると同時に、大学教授として漫画を研究してきた竹宮さんならではの、目からうろこが落ちる『ナウシカ』の読み解きをお楽しみください。
拡大する竹宮惠子さん
(この記事は漫画『ナウシカ』『地球へ…』の内容に触れています)
――竹宮さんは漫画『ナウシカ』の連載が始まった1982年、少女漫画雑誌の「今年一番おもしろかったマンガは?」というアンケートに『ナウシカ』を挙げていらっしゃいますね。当時、作品のどこに魅力を感じられたのでしょうか。
「連載の初回を読んだ時に、『これはなにかちがう世界が始まるんだ』という直感がありました。『動き』への思い入れ、止まっている漫画の絵を通じて『動き』を読む人に伝えたい、という情熱がすごかった」
「漫画というのは基本的には『…