放課後デイ、一斉に営業停止 参入企業が報酬不正受給

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石川春菜 畑山敦子
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 障害のある子どもを放課後や休日に預かる「放課後等デイサービス」(放課後デイ)で、報酬を不正に受けとったなどとして運営者が行政処分を受け、営業停止する例が増えています。利益を追い求める企業の参入が背景にあるとされ、なかには6年間も不正が発覚しなかったケースもあります。

不正6年発覚せず

 東京都世田谷区など都内で7カ所の放課後デイと幼児対象の児童発達支援サービスが昨年10月末、一斉に営業を終了した。それぞれの施設を利用していた子どもは、ほかに移らざるをえなくなった。

 営業終了の理由は、行政処分だった。7事業所を運営していた企業が昨年11月、都と世田谷区から、放課後デイと児童発達支援の指定取り消し処分を受けた。

 処分理由は、常勤の責任者を置かずに基準を満たさないまま運営していたことや、特に支援が必要な子の数を水増しするなどして実際より多く補助金を得ていたことだった。不正は最も長い場合で約6年間発覚せず、不正に受給したと認定された給付金は総額で約2億9千万円にのぼった。

 「運営にあたった元役員のコンプライアンス意識の低さから不正を続けていた。監督責任者として申し訳ない」。運営会社社長の男性は取材に対し、子どもの数の水増しなどを認めた。「責任者の条件を満たす人を募集しても集まらず、併設するデイサービスの職員を管理者としてしまった」と話す。運営会社は自治体からの補助金と利用者負担の不正受給分について、返金準備をしている。

 放課後デイは、障害を持つ子どもが社会的に自立するための支援をする「療育」を目的に、2012年度にはじまった。仕事などのために子どもを預けたい家族のニーズもあり、事業所は急増している。

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 厚労省によると19年度には…

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