夫婦の姓「男女平等が保障されていない」 元最高裁判事

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聞き手・田中聡子
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 夫婦別姓を選べない民法の規定が「合憲」と判断された最高裁判決から5年。その後も夫婦別姓を求める訴訟が相次いで提起されています。「外国で別姓夫婦と認められているのに、日本では認められないのか」「別姓を望む人が結婚できないのは、信条に基づく不合理な差別ではないか」など、訴えの角度はさまざまです。相次ぐ訴訟をどのように見ているか、元最高裁判事で弁護士の泉徳治さんに尋ねました。           

いずみ・とくじ 1939年生まれ。東京地裁判事や東京高裁長官を経て、2002~09年最高裁判事。最高裁判事の間に、所属する第一小法廷が婚外子法定相続分を婚内子(嫡出(ちゃくしゅつ)子)の2分の1としていた民法規定を合憲とする判断を2度示した際、いずれも「規定は憲法違反」とする反対意見を書いた。

 ――夫婦の氏をめぐり、さまざまな訴訟が起きています。

 「夫婦同姓制度に多くの不合理があり、いろいろな面で個人に犠牲を強いていることが浮き彫りになっています。こうした訴訟は、『訴えを認めて欲しい』ということと同時に、不合理を社会に示すという意味も大きいでしょう。そうやって社会に訴え、世論が動くことで、裁判所が『社会情勢が変わった』と判断する可能性もあります」

 ――裁判所の判断に、世論はどの程度影響するのでしょうか。

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 「裁判所は法律や憲法だけを…

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