積み重なる衣料 苦境のアパレル、余った在庫の行き先は

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金居達朗
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 密を避け外出を控える「巣ごもり」などの影響で、洋服やアクセサリーなどの需要は減少傾向。大型商業施設ではテナントの大量閉店も相次ぎ、新型コロナウイルスの感染拡大によるアパレル業界の苦境が浮き彫りとなっている。一方で、これまでとは違った形での服の流通も広がりつつある。

 大阪市西成区の倉庫。大量に積み上げられた段ボール箱の中身はほとんどが衣料品だ。在庫を現金化したい全国のアパレルメーカーや小売店から持ち込まれた衣料品で、店頭販売定価の約1割で買い取られているという。

 衣料品を管理するのは在庫処分大手のショーイチ(同市中央区)。山本昌一社長(42)は「あるものは選ばずに買い取る。断ることはありません」と話す。

 新型コロナの感染が拡大した昨年3月ごろから買い取りの依頼が急増。倉庫内の在庫は約200万着にもなり、例年の2倍以上だという。買い取った商品は依頼主の希望に応じて、ブランドのタグなどを切り取るなどの作業をした後、同社が経営する東京、大阪、東南アジアなど国内外20店舗に運ばれ格安で販売される。ただ、同社の店舗でもコロナ禍で売り上げは以前より下がっているという。

 一方、店舗での販売の代わりに在庫処分の新たな受け皿として機能しているのが、衣料品のサブスク(サブスクリプション=定額制)だ。

 滋賀県草津市のベンチャーBrista(ブリスタ)では、30~50代の女性向けのワンピースやジャケットなど約3着分を1カ月1万1千円(税込み)からレンタルすることができる。複数の有名ブランドを扱う三陽商会などのメーカーと取引があり、会社役員やセミナーの講師など人前に立つキャリア女性に人気だという。

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