オープンな空間 光に包まれて 「隔離の島」の歴史越え

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文・田部愛 写真・小杉豊和
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 アーチ形の玄関を覆うツタが90年の歴史を物語る。瀬戸内海の島にあるハンセン病療養所に、園内外の人が集う空間が生まれた。

 「光の特等席」がそこにはあった。海に面した窓際のテーブル席。岡山市の会社員男性(40)は「来たらここに座りたいんです」と話した。日の光でぬくもった木の椅子に腰掛けてみた。カキいかだが浮かぶ海に、小刻みに揺れる波が光の粒を運んでいた。

 カフェ「さざなみハウス」は、岡山県瀬戸内市のハンセン病の回復者が暮らす「長島愛生園」にある。瀬戸内海に浮かぶ長島に1930年に国内初の国立療養所として開園し、島は88年に橋が架かるまで「隔離の島」と呼ばれていた。

 カフェの場所は、96年まで続いた国の隔離政策や園の成り立ちを伝える歴史館のそば。施設の一角にあった事務所が移転し、「面会に来た人の休憩場所を」という入所者らの声を受け、2019年夏にオープンした。

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