イタリア、豪州への国内製造ワクチンの輸出を不許可

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ローマ=河原田慎一 シドニー=小暮哲夫
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 イタリア政府は4日、英製薬大手アストラゼネカなどが開発し、イタリア国内で製造された新型コロナウイルスのワクチン約25万回分について、豪州への輸出を不許可とした、と発表した。欧州連合(EU)が1月にEU域外へのワクチン輸出の管理を強化する措置を導入して以来、初めてのケースとみられる。

 イタリア外務省によると、アストラゼネカ側から2月24日に輸出許可の申請を受けたが、イタリア政府は輸出を認めない方針を、EUの行政を担う欧州委員会に伝えた。欧州委もイタリアの判断を承認。イタリア政府は、3月2日にアストラゼネカ側に不許可を通知したという。

 イタリア外務省は、不許可の理由として、豪州がワクチン供給の点で「脆弱(ぜいじゃく)な国」でないこと、同社製ワクチンの供給計画がEUやイタリア国内で遅れていること、申請された分量が約25万回分と多量であることなどを列挙した。

 EUは今年1月末、EU域内でのワクチン供給が計画通りに進んでいないことから、域内で生産されたワクチンを域外に輸出する際には、製造した国の政府の許可を必要とする「輸出管理」の強化措置を導入。地元メディアによると、2月に就任したイタリアのドラギ首相は同月末のEU首脳会談で、EU加盟国との契約を尊重しない企業の域外へのワクチン輸出を止めるべきだと主張していた。ドラギ氏はワクチン接種の推進を重要政策の一つに掲げている。

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 一方、豪州のハント保健相は…

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