鬼監督からカリスマ指導者に 問題児が見せた大事なこと

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考えさせて伸ばすには?

 小さいうちから、嫌なこと、つらいことを我慢して努力できる習慣を身につける。

 それが、親が子に武道を習わせる理由の一つであり、勝利への近道。

 柔道界では長く、そう信じられてきた。

 「命がけで練習に取り組む」

 小、中学生が通う柔道の朝飛(あさひ)道場(横浜市)の朝飛大館長(58)も、それが信条だった。

 つい、15年前までは。

 朝飛さんは現役時代、古賀稔彦さんや大野将平さんら多数の金メダリストを輩出した講堂学舎で中学、高校時代を過ごし、明大で学生王者に輝いた。神奈川県警に進み、ユニバーシアード団体優勝、全日本選手権出場などの実績を残した。

 1986年、父・速夫さんが開いた朝飛道場を継ぎ、指導を始めた。自らの経験則に基づき、ピリッとした空気を道場に充満させた。

 厳しく、熱く、恐ろしい鬼監督。だが、頂点には届かなかった。

 「全国(優勝)を取りたくて、取りたくて、寝ても覚めても身もだえていた」

 変化のきっかけは、小さなことだった。

 ある日の練習前、普段、態度…

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