性被害「信じてもらえない」 偏見で孤立する男性たち

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野崎智也 山本逸生
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 被害の相談や訴えにも精神的な負担が大きい性被害。それは男性の被害者もまた同じだ。2017年7月に刑法が改正され、「強姦(ごうかん)罪」が被害者の性別を問わない「強制性交等罪」に変わって4年近く。性犯罪の捜査に新たな道が開かれたが、男性被害者への支援は特に遅れたままだ。(野崎智也、山本逸生)

 写真撮影のモデルになってほしい――。

 面識のない男性ら10人にそんな声をかけるなどし、自宅やホテルに誘い入れて性的暴行を繰り返していた男に、大阪地裁は2月18日、懲役20年の判決を言い渡した。

「忘れたい」「恥ずかしい」捜査難航

 男は大阪市立中学の元教諭(42)。被害男性に睡眠薬やアルコール飲料を飲ませ、抵抗できない状態にして犯行に及んだ準強制性交等罪などに問われた。性的暴行の様子をカメラで撮影していた。裁判長は「被害者らの人格と尊厳を踏みにじるもの。精神的被害は極めて大きい」と指摘した。

 罪に問われたのは2017年3月から19年3月の2年間にかけての犯行だった。だが、公判ではこんなやりとりもあった。

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