プロ野球選手を陰で支える?下平さやかアナ語る「虚像」

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聞き手・渡辺芳枝
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テレビ朝日アナウンサー・下平さやかさん

 スポーツ選手と結婚した妻が、自身のキャリアを捨てて夫を全力で支える――。選手に密着したドキュメンタリー番組でよく映し出される「定番」のシーンです。でも「それは虚像」と、テレビ朝日アナウンサーの下平さやかさん(48)は言います。プロ野球・広島の長野久義選手と結婚した下平さんが見た「プロ野球選手の妻」の現実と、違和感とは。

     ◇

 2015年に当時巨人に所属していた長野選手と結婚する前は、「プロ野球選手と結婚するのは嫌だな」って思っていました。「大変な栄養管理をして夫を支える」「内助の功を求められる」というイメージがあったので。

 でも、冷静に考えてみてください。プロ野球選手って、1年の3分の2は遠征で家にいないんです。本当に管理したいと思ったら、ずっと帯同しないといけないわけですよ。そんなことを受け付けている球団というのはどこにもない。つまり栄養管理はできない、していないんです。おいしくて健康にいい食事を家族に食べさせたい、というのは、どの家庭も同じ。毎日定時に帰ってくる配偶者に食事を用意する方が、ずっと大変だと思います。

 「食事で支える妻」というイメージは強く、番組や記事で、よく描かれます。情報の受け手に罪はありません。でも、プロ野球選手や家族がどういう生活をしているか、記者は絶対に知っている。知っているくせに、紋切り型の「陰で支える奥様」みたいなものを作り上げようとするのは嫌ですよね。自分が結婚してみて、「アスリートの妻」は「虚像」だとよく分かりました。なんだ全然大変じゃないじゃん、と。それはどんどん言っていきたいです。色々な家庭があって、もちろん一生懸命お食事を作って支えている方もいますよ。

 結婚直後の選手が成績を落とすと、妻がバッシングされることまであります。私がニュースを読むのをミスしたら、長野選手のせいなんですか。そんな理屈は、全く成立しないですよね。変なことがまかり通っている世界だなと思います。

気軽に女性蔑視、アナウンサーの変な仕事

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 結婚前から、長野選手から「…

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