「手術は延期」乳を飲めない娘 母は凍えながら搾乳した

有料記事患者を生きる

熊井洋美
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 2011年1月、木下(きのした)京子(きょうこ)さん(40)は当時住んでいた仙台市で、初めてのお産を控えていた。

 年末年始に腹痛を我慢して、かかりつけの産科クリニックに行くと、医師から「羊水の量が多い」と言われた。

 仙台市青葉区宮城県立こども病院へ救急車で運ばれた。

 診断は「羊水過多」。胎児の周りにある羊水の量が増えすぎていた。

 赤ちゃんが羊水をうまく飲み込めておらず、赤ちゃんの十二指腸が塞がっている可能性があった。

 2千人に1人ほどの確率で起き、珍しい病気ではないが、京子さんはおなかに針を刺され、羊水を抜かれた。

 約1カ月半にわたって入院し、仙台市内の実家に戻ってしばらく経つと、また腹痛が襲ってきた。

 「まもなく次の健診日だから我慢しよう」

 予定通り3月10日に受診をすると、担当医だった佐藤聡二郎(さとうそうじろう)医師(50)=現セイントマザークリニック院長=から、「なんで我慢してたの?」と注意され、また入院となった。

 夜中に異変を感じた。

 看護師は「破水してます」。

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 まもなく陣痛がやってきた…

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