49歳で帰国、職転々 中国残留日本人2世に支援を

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宮野拓也
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 中国残留日本人孤児や残留婦人の子どもとして現地で生まれた「2世」と呼ばれる人たちが、日本政府に支援を求める活動を続けている。これまで支援の対象は1世に限られており、2世は正確な人数も把握されていない。高齢になる人も多く、福岡市では2日、当事者らがネットで支援を募るクラウドファンディングを始めると発表した。

 2日に福岡県庁であった記者会見で、県内で暮らす小島北天さん(73)が「多くの2世が生活が苦しく、活動の交通費が出せなかった。みんなで支援してほしい」と訴えた。クラウドファンディングで集まった寄付は、年金の特例や給付金などを求めて国会議員に請願活動をする際の交通費などに使う。

クラウドファンディングは8日から4月28日まで。サイト(https://readyfor.jp/projects/ncf別ウインドウで開きます)で受け付ける。

中国では「日本人」、日本では「中国人」

 小島さんは1997年、その1年前に帰国した残留婦人の母と暮らすため49歳で日本にやってきた。

 来日後に日本語を勉強し、就職したが、しばらくはあいさつ程度しか理解できなかった。電気製品の組み立てや清掃、レストランのアルバイトなどを転々とし、意思疎通がうまくできずに職場で嫌がらせを受けたこともあった。日本で働いた期間が短いため、受け取れる年金は月1万9千円。生活のため、いまはシーツのクリーニングなどをするパートに週3回出かける。

 旧満州で看護師をしていた母と中国人医師の父との間に生まれた。「中国にいるときは日本人と言われ、日本では中国人と言われる。これは本当にきついよ」。支援対象の1世にはわずかしか年齢が変わらない人もいるが、小島さんは支援を受けられない。

 いま九州地区中国帰国者2世連絡会の会長を務める。会員は約300人。2017年の調査では平均年齢は60歳を超えていたという。「新しい環境になじめずに心身を壊した人も多い。こういった2世が日本にいることをみなさんに知ってほしい」

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 2世の活動を支援する残留孤…

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