佐賀県公安委員長「事件化の判断難しかった」女性暴行死

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平塚学
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 福岡県太宰府市の女性暴行死事件について、弁護士で佐賀県公安委員会委員長の安永恵子氏が2日、初めて公の場で発言した。「県警が女性に危険が及ぶと認識し、親族の被害についてただちに事件化の判断に至るのは難しかったと考えられる」とし、県警と歩調を合わせ、一連の対応を問題視しない姿勢を示した。

 同日あった県議会一般質問で、井上祐輔議員(共産)が事件について取り上げ、県公安委の役割や、事件への見解をただした。

 安永委員長は答弁の冒頭、「心よりお悔やみ申し上げます」と述べ、頭を下げた。

 県公安委は3人で、安永委員長のほかは元佐賀商業高校長の吉冨啓子氏と、佐賀タクシー社長の牛島英人氏。ホームページでは「県民の皆様が安全で安心な生活ができる社会をめざしています」とうたう。

 遺族は1月13日、第三者による委員会を設置し、再調査するよう求める文書を県公安委に提出。「公安委なら、もっと深く調査してくれると期待している」と話していた。

 安永委員長は答弁で、県公安委の役割を「県警を管理すること」と説明。事件については、県警から調査結果を聴取し、委員で議論、検討したという。

 その結果として、県公安委は2月18日、①機動的に対応できる相談態勢の整備②「相談等取扱票」などの在り方の見直し③相談者への丁寧な相談等対応――の3項目などを記した、紙1枚の「提言」を県警に出していた。再調査には一切触れていなかった。

 井上議員は、遺族と県警との主張の食い違いを指摘し、遺族に聞き取りをしないのか尋ねた。安永委員長は「遺族の申し出書や要望書、意見書で考えはうかがっている。要望にはできる限り、誠実に対応した」と述べるにとどめた。

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