マスク着けられない人も 多数派と異なる自閉症、知って

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川口敦子
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 対人関係が苦手、強いこだわりがある、などの特徴を持つ自閉症スペクトラム(ASD)。発達障害の一つで、最近の調査では、子どもの20~50人に1人がASDと診断されるといい、身近なのに社会の理解が進みません。どうすればいいか、日頃から当事者に接している2人に聞きました。(川口敦子)

「ASDは脳のタイプ」児童精神科医の宇野洋太さん

 人付き合い、コミュニケーション、想像力。この3点において、多数派と異なる特徴を持った「脳のタイプ」を、医学的にASDと呼んでいます。知的な遅れを伴う割合は半数程度と言われています。1歳半~2歳で診断可能な場合が多いですが、日本の場合は3歳児健診で指摘されることが多いように思います。

 ダイバーシティーという概念が浸透し、LGBTは広く知られるようになりました。性ではなく、脳の処理方法の多様性の一つがASDなのですが、まだ社会の理解が進んでいないように感じます。

 たとえば感覚刺激への反応性一つとっても、ASDでは偏りがあることが多く、聴覚・視覚など五感で鈍感さや敏感さが生じることがあります。聴覚のつらさを和らげるために、イヤホンをする人もいれば、触覚などのつらさからマスクが着けられない人もいます。そういう人がいることを、まずは知ってほしい。

 インクルーシブ教育を考えたとき、学校の先生の子どもに対する態度が、他の子どもたちに大きく影響していると感じます。普通学級に在籍しているASDの生徒も少なくありません。音が苦手な子に対し、「君だけはイヤホンをつけていいよ」と言うと、周りの子は特別視します。先生がまずモデルになって付けたり、「誰でも必要な子は付けようね」と言ったり。工夫して下さっている現場だと、子どもたちは素直に、「色んな子がいるんだ」と受け入れます。

記事の後半では、在籍児・生徒の3割が発達障害児という武蔵野東学園の石橋恵二校長の話もあります。

 最近は暗記型より思考型の教…

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