「女は無理」でブレーキ 山内マリコさん、あの頃の私へ

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聞き手・伊藤恵里奈
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作家・山内マリコさん

 地方出身と東京出身の女性の心象風景を対比させた小説や、日常生活の疑問や発見を軽快につづったエッセーで人気の作家、山内マリコさん(40)。フェミニズム雑誌の編集をしたり、女性差別についての考えを表明したりしていますが、「ジェンダーの問題と向き合い始めたのは遅かった」と言います。

「闘争」して変わった夫との関係

 20代後半で「結婚をしなきゃ」というプレッシャーを強く感じるようになりました。男女平等と言われて育ったし、自分でもそう思っていたけれど、結婚となったとたん、女性の弱い立場が浮き彫りになる。それでも、「しなきゃいけない」と思ってしまう結婚って何なんだろうと考えるようになりました。それまでは「フェミニズム」という言葉すら知らなかったのですが、女性学の本をいろいろ読み、自分なりに学んでいきました。

 結婚すると、女性はいろんなものを搾取されてしまう。便利に使われて、自分の時間を奪われてしまう。それで結婚がすごく怖くなって。東日本大震災のあと、つき合っていた人と同居することを決めたのですが、そこからは家事分担をめぐって、フェミニズム的な主張をしつづけました。

 彼はもともと料理が得意なタ…

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Think Gender

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]