高額接待、山田真貴子広報官が辞表提出 体調不良で入院

小野太郎
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 菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から7万4千円超の接待を受けた山田真貴子・内閣広報官は、1日付で辞表を提出した。持ち回り閣議で辞職が決まった。

 首相は1日の衆院予算委員会で、山田氏が2月28日に体調不良で入院したことを明らかにした上で、「(山田氏が)入院先から杉田和博官房副長官に辞意を伝え、その夜、副長官からその旨報告があり、そういう状況であればやむを得ないという判断をした」と述べた。山田氏は1日の衆院予算委に参考人として招致されていたが、出席は取りやめとなった。

 加藤勝信官房長官は記者会見で、「体調は本人しか分からない。私個人としては、体調のそういうことがなければ、引き続きがんばっていただきたいと思っていた」と語った。

 山田氏は総務審議官だった2019年11月、東北新社から7万円超の接待を受けた。先月25日の衆院予算委では、東北新社からの放送行政に関する働きかけを否定したうえで、「職務を続けていくなかで、自らを改善していきたい」と述べ、広報官を続投する意向を示した。

 首相も同24日の時点では「深く反省している。女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と語っていた。

 接待問題をめぐっては、総務省の調査では、東北新社は「利害関係者」と認定された。接待を受けた同省幹部ら11人について、国家公務員倫理規程に違反したとして減給などの処分を行った。山田氏はすでに総務省を退官しており、同省の処分の対象外だった。このため、自ら月額給与10分の6(70万5千円)を自主返納し、会食代も東北新社側に返金することを申し出ていた。

 山田氏は総務省の情報通信国際戦略局長などを歴任。第2次安倍政権では女性初の首相秘書官に就いた。昨年7月に総務省を退官した後、政府広報のトップとして菅政権の内閣広報官に抜擢(ばってき)された。(小野太郎)

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