元船頭「今までにない」川の異変察知 犠牲者なしに貢献

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村上伸一
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 昨年7月の豪雨災害浸水した熊本県人吉市内の町内会の住民を避難させ、1人も犠牲者を出さずにすんだ町内会長の一橋國廣さん(76)が2月25日、水防功労者として国土交通省九州地方整備局長表彰を受けた。一橋さんは「球磨川下りの船頭と消防団の経験が生きて、機敏に対応できた」と話した。

 豪雨が続く昨年7月4日午前2時ごろ、球磨川沿いにある人吉市中神町大柿に住んでいた一橋さんは、携帯電話などで九州地方整備局のデータを調べ、川の水位を確認していた。10分ごとに10センチ上昇し、3メートルを超えても同じペースで上がり続けた。「今までなかったことだ」と異常を感じた。大柿町内会の班長3人を呼び出し、地区内の約50世帯を4人で手分けして回って避難を呼びかけた。

 一橋さんは観光遊覧船の球磨川下りの船頭を長年続けた経験から、今回の激しい水流による堤防決壊などの危険を感じた。ふだんの避難場所では水没してしまうとみて、高台にある小学校体育館などへの避難所設置を市に要請した。

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 地区消防団で培った経験をも…

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