「ついで」じゃない男女2人のカーリング 壁は「兼業」

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渡辺芳枝
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 来年の北京冬季五輪の代表選考を兼ねるカーリングの混合ダブルス日本選手権の最終日は28日、青森市のみちぎんドリームスタジアムで決勝があり、吉田夕梨花(ロコ・ソラーレ)松村雄太(コンサドーレ)組が、昨年優勝の松村千秋(中部電力)谷田康真(コンサドーレ)組を10―2で破って初優勝した。吉田・松村組は、北京五輪の出場枠を争う4月の世界選手権(開催地未定)に、日本代表として出場する。出場枠を獲得した場合、吉田・松村組と松村・谷田組で改めて代表決定戦を行い、北京五輪出場チームを決める。

 3位決定戦では、小穴桃里(富士急)青木豪(札幌国際大)組が、柳沢実知(長野県協会)小泉聡(SC軽井沢ク)組に6―5で競り勝った。

最強の「義兄妹」、光った信頼

 まっすぐ滑らせた石が、左右に4~5フィート(約120~150センチ)も曲がった位置で止まる。

 今大会のリンクはあえて国内の一般選手では扱えないような世界レベルの高難度に仕上げられていた。そこで腕を見せたのが、平昌オリンピック(五輪)銅メダルの吉田夕梨花だった。

 得点するには不利とされる先攻だった第1エンド。相手が得点しにくい形を吉田が着々と作り上げ、2点を先取した。第2エンドも先攻ながら4点を奪い、早々と大勢を決めた。

 1人が1、5投目を、もう1人が2~4投目を投げるのが、混合ダブルスのルール。氷の特徴を短時間で把握して対応を考えるのは、4人制でも1、2投目を担うリードの吉田の得意分野だ。

 松村雄太は「僕が1投目でどれだけ散らかしても、夕梨花は耐えて、自分の仕事をしっかりしてくれた。で、『後は頼んだよ』って(5投目を)渡してくれた」。吉田は「私にできることを、(松村)雄太がやらせてくれた」。吉田の技術と、日本選手権3連覇中のコンサドーレのスキップ松村雄の戦術眼、そして義兄妹という信頼関係。すべてがかみ合って、1次リーグのグループ3位から頂点へ駆け上がった。

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「我々なら選ばないショットを…」

 「4人制は競技、ダブルスは趣味」という時代は終わった。

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 2018年平昌五輪で正式種…

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