「もっと買い物していれば…」そごう川口店、30年で幕

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堤恭太
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 埼玉県川口市のJR川口駅東口前にある百貨店そごう川口店が28日、閉店した。同駅周辺は住宅ローン会社が選ぶ「本当に住みやすい街大賞2021(首都圏)」で2年連続グランプリを受賞した人気上昇地域。閉店による直接的な影響は少ないとみられているが、看板店の撤退によるイメージダウンやにぎわいの喪失は避けられそうにない。

 午後7時半過ぎ、正面入り口のシャッターがゆっくりと閉じられると船場俊行店長らが深々と頭を下げて約30年の歴史に幕を閉じた。写真を撮っていた30代男性は「子どもの頃は両親と来るのが楽しみだった」。同店で最後の買い物を楽しんだという60代女性は「私たちがもっと買い物していれば」と名残を惜しんだ。

 同店は地上11階、地下1階、店舗面積は3万2621平方メートルで再開発ビルの核テナントとして1991年10月に開店した。当時は県内最大の売り場面積を誇り、開店初日は約15万人が訪れ、96年度は359億円を売り上げた。

 しかし、近年は同店だけに限らずインバウンド(訪日外国人旅行)需要の見込めない地方などの百貨店は郊外型の大型ショッピングセンターやネット通販などに追い込まれている。人口の多い首都圏でも周辺部になると東京に近いがために品ぞろえの豊富な都心の百貨店に客が流れている。同店も2019年度は153億円とピーク時の半分以下に落ち込んだ。

 今後については、大型家電店…

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