「逃げろそしてもどるな」 鮮魚店の貼り紙が伝えるもの

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高木潔
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 千葉県旭市飯岡地区にある鮮魚店「竹屋」は、週末になると客が途切れない。「コロナで個人のお客さんが増えちゃってね」と3代目店主の菅生(すごう)誠さん(71)。10年前は、地区を襲った津波に車や冷蔵・冷凍庫、水槽など商売道具すべてがのみ込まれ、菅生さんは途方に暮れていた。

 2011年3月11日。菅生さんは経験したことのない揺れに危険を直感した。店の裏手は海岸線。客と従業員に「すぐに逃げて!」と叫び、自身も家族と近くの小学校に避難した。

 津波が2度来るのを校舎3階から見た。「もう終わっただろう」と店に戻りかけた夕方、黒い波が迫って来た。推定で最大7・6メートルの高さに達したとされる第3波。「あと1分早く行っていたら、流されていた」

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